アンカースクリューと早期治療
今年の学会で学んだことを書き留めておきたいと思います。
1.反対咬合の治療開始はいつから行うと良いのかについて。
成人の反対咬合で下顎のシンフィシスが薄い患者さんがいます。
咬合していない部位の歯槽骨は薄くなるため、反対咬合の治療を遅らせるのはどうか...早期治療の必要性があるのではないか。
2.MPAの効果とアンカースクリュー併用
上顎前方牽引装置(MPA)でのA点の改善はそれほど多くなく
・A点→1.8mm
・SNA→2.1°
・上顎前歯の唇側傾斜の歯槽性の変化が主に起こる
骨格の改善にはアンカープレートとMPAを使用すればA点が4mm改善するが、
子供にやらせたい親はほぼいない...
そこで口蓋のアンカースクリューとハイラックスを組み合わせよう!
臼歯部に応力かかり、下顎のスイングバックが起きるため、フルカバーのハイラックスの方が良いらしい
この方法で平均3.8mm改善可能
ただし、スクリュー脱落が2割ある。原因はマイクロクラックか?5〜10Nのトルクが良いかも
口蓋アンカースクリューの脱落が2割もあることに驚きました。口蓋でも自分が思っていたよりトルクは小さい方が良いのかもしれないです。
A点の評価はMPAとスクリュー以外に、ハイラックスによるA点の前方移動があるので(Hass,1965;Wertz,1970)、3.8mm -1.8mm=2.0mmにはスクリューとハイラックスの効果が含まれている気がします。
間違っていたらごめんなさい。でも、スクリューとハイラックスの組み合わせは外科治療を避けたい希望のある患者さんには大変良いと個人的には思っています。